・金融機関による融資上限金額と金融情勢

2019.02.12

今回、ご紹介する内容は、当社がある法人にご購入頂いた駅前ビルの不動産融資に関して実際に経験した内容です。今回の融資はある理由から一般的な融資よりも複雑で、現在の金融情勢が大変厳しいことを更に実感できました。ある理由とは、一昨年前に今回のお客様には、駅前商業用地を約30億円で当社からご購入頂いております。

信用組合などは一社当たりの融資上限金額を25億円位で設定されているために、当時は銀行と2行で協調融資という形で土地をご購入頂いた経緯があります。今回は、高層ビルを建築予定でご購入頂きました土地の隣地が売りに出されて、今年もお客様に新たに約30億円で隣地を当社からご購入頂きました。しかし今回の融資が非常に大変な状況にはいくつかの訳があります。新たな購入資金を調達する金融機関にも融資上限があるために地方銀行を含めた2行の協調融資を新規申し込みをすることになりました。口座も無い金融機関から30億円の資金調達が命題です。

もちろんお客様の資産内容は、ホテルやビルなど数百億円分の不動産を保有しています。潤沢な資産を保有していてもこの時期に金融機関から新規顧客に大口融資をするのは非常に難しいです。今回、新規開拓した金融機関からの融資の条件は、借入金額と同等以上の資産価値がある不動産に一番抵当を設定して共同担保とすることでした。お客様が保有するビルに設定されている抵当権を抹消するために数億の残債を一括返済して、担保提供することをお客様にご了承いただきました。問題は、当社から最終的に約60億円でご購入して頂く、ふたつの土地に一棟の高層ビルの建築が予定されることになり設計変更がはじまりました。

建築予定の土地に融資をする金融機関は、前回と今回を合わせると最終的には4行の金融機関になります。4行の金融機関とは建物の抵当権設定順位などの打ち合わせも必要になります。4行で調整をしていると新たな問題がおきました。既にご購入頂いた土地に約30億円を融資している金融機関2行のうち1行から融資条件変更に伴う新たな条件提示がなされました。建築資金の融金金額のうち約2億円を減額、保有する他のビルに抵当権を1番で設定する共同担保を提供することが条件提示されました。今回の条件もすべて当社のお客様はご了承されましたが、最終的な条件変更の承認が下りずに日にちだけが経過していきました。

当社は、今回ご契約させて頂きました一部上場企業の売主に状況報告をさせて頂き、融資承認期間の延長合意を頂きました。お客様が全てを承諾しても最終的な金融機関から条件変更の承認の決済には、ローン条項期日では結論がでることなく、期日の延長合意書の期日ぎりぎりまでかかりました。最終日にようやく条件変更の承認がおり、ほっと一息しました。高額物件の取引では、数多くの問題が発生することがあり、ひとつひとつを解決しなければなりません。今回は、資金が潤沢な富裕層のお客様でも金融機関からの資金調達の難しさを実感する銀行間の調整でした。
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2016年10月01日